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公開日:2023/03/04

投稿日:2023/03/04

会員名:
寺内大輔

所属先:
広島大学

寺内大輔作曲 《峡谷》―2台のピアノのために(2022)

音源が,オランダの現代音楽の出版社Donemusよりリリースされました。
Apple MusicとSpotifyで配信されています。
演奏は,加島裕子さんと北林聖子さん,素晴らしい演奏です!

Apple Music
https://music.apple.com/album/1672323625

Spotify

 

作品解説
たとえば,少し広めのテーブルの上にいくつかのものを「美しく」置こうとする行為を考える。何を,どこに,いくつ,どの向きで・・・置き方の可能性は無数にある。もちろん正解はない。しかし,この行為にはある種の美的価値判断がはたらいている。
本作には,装飾音を伴う旋律,短く奏される和音,数少ない音から成る短い音型,オクターヴの高音,等々,異なった性格をもった音楽的要素が含まれている―ここではこれらをまとめて「素材」と呼ぶことにしよう。これら素材を,空間と時間にいかに置くか,それが本作における創作上の関心であった。
このとき重視したのが,ソステヌートペダルの効果である。このペダルは,特定の音のみを伸ばすために用いられるのが一般的だが,本作では,特定の弦から残響を生じさせるためにも用いている。曲のはじめから終わりまで,残響は素材と素材とのあいだにたゆたい,よく似た音楽をそれぞれに奏でる2台のピアノのあいだに漂う。
扇情的な音楽ではない。描写的な音楽ではない。題名にも特に意味はない。だが,場合によっては,聴き手に何かを思い出させるかもしれない―ごく個人的な何かを。

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